2011年7月1日金曜日

ブーゲンビリアの花びら

 この時期の代表的な花は何だろうと考えていて、ふと思い出した。去年迄、すぐ上の階に住まわれていたお年よりのご婦人が、ベランダのコーナーに大きな鉢植のブーゲンビリアを置いておられて、そのワインレッドに近い赤い花びらが、夏中、私の住まいのベランダに舞い降りてきていたのを思い出した。
 二階に住まわれていたその方は、とても、動物が好きで、近くで拾ってきた子猫の面倒を見たり、南向きのベランダで、小鳥達の餌付けをされていた。自宅に連れて帰れない猫達が、いつも食事時に彼女のベランダのすぐ下に集合していたのを思い出す。若く見えたが、そのご婦人は、ほぼ京都に住む私の義母とあまり変わらない年齢だと思っていた。
 私どもとは、5年近く前に亡くなったヨークシャーテリアの愛犬リズを、女王さまと呼んだり、今、家にいるアンディーをぼんぼんと呼んで、とても可愛がってくれた。また、時にはわざわざシクラメンやランの鉢植えなどを持って家にこられた。
 彼女が84歳で亡くなられたのは、去年の5月の事だったので、早くも一年が過ぎていた。その方は足の痛みを言っておられたが、人生の最後迄、自ら横になる事も無く自立した最後を迎えられた。
 その方の普段の着こなしは、いつもお歳の割りに華やかな着こなしをしておられて、若いころは、可愛いい方だったのではと思わせた。
 その主がいなくなった二階のベランダから、去年の夏、何時までもブーゲンビリアの赤い花びらが舞い降りていたのが思い出される。
 ブーゲンビリアは南米や沖縄などでよく見られる花で、本来、年中さいている花だそうだが、日本では暑い真夏を避けた、春、秋の花とされているらしい。でも、私の記憶では、去年の初夏から、長い間、赤い花びらが私の家のベランダに舞い降りていたと思っている。
 園芸店を覗くと、今の時期ハイビスカスやひまわり等の夏の花が置かれていて、また、照りつける日差しの季節が来た事を私達に告げているようだ。

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