民主党の代表者選びを見ていて、私は、実はがっかりした。世間や、マスコミのネガティブキャンペーンにさらされ、検察審査会の強制起訴と言う不名誉を受けながらも、その政治家としての小沢のカリスマ性に、予てから心の底で期待する部分があったからです。過去から、壊しやの異名を取り、豪腕、辣腕との評価を集めてアンチ自民党政治の先頭に立ち、方法論は別にしても、現在の民主党政権を実現させたのは、彼の力に負う所が大であったと思っています。
鳩山が行き詰まり、小沢を道連れに退陣したおかげで、政権交代で既に政治家として出来上がっていた菅に、思わぬお鉢が回ってきた。所が、最後と、手を上げたのは良いが、何の準備も無かった菅は党内のアンチ小沢のグループに担がれて、その政権のしょっぱなから脱小沢をスローガンにした政権浮揚を、目論んだと思われる。政権に付いて日の浅い民主党が、その当初から、党の内部分裂を主導するような党運営をしていて、民主党内閣が上手くいくはずが無いと思っていた。
案の定、最初から、議論する事も無く、思いつくまま政策を口にするものだから、党も閣内もまとまりが付かなくなった頃に、最悪の状況で、東日本大震災が起こってしまった。その後は震災や原発事故対応の不手際を突かれて、菅がどんどん追い込まれた挙句に、あわや党内分裂かと思わせた不信任決議をかろうじてかわして、今回の政権交代後、三人目の代表選びとなったのです。
それで、何にがっかりしたかと言うと、代表選挙で小沢が結論として、海江田の指示を決めた事なのです。三人目の代表選挙に及ぶこの期に、自分に擦り寄って来て、事後に影響を及ぼす事が出来ると目される候補に指示を決めた瞬間に、小沢と言う政治家に対する、かすかな期待が消し飛んだ気がした。
様は、国や国民の事ではなく、石原都知事が言う「我欲」以外の何物でもないと言う事が、証明された瞬間でもあったと思うのです。
それまで、どうせ政治資金規正法違反なんて、如何でも良いと、私は思っていた。政治家は、今までも、大なり小なり細かな法律を無視して、現在に至っており、現にアンチ小沢の菅や前原も外国籍の個人から、献金を受けていた事実は覆い隠すべくも無い事実だからかなのです。
しかし、代表候補者の誰を指示したらよかったのかは分りませんが、自分の影響が及ぶと思われる候補者に、真っ先に、自身が率いる手勢を向けさせた時点で、小沢一郎の政治評価に終わりを告げたと思うのです。
当初は、劣勢が噂されていた、松下政経塾出身の野田財務大臣が結果として小沢指示候補以外の票を一手に集めて逆転勝利することと成った。
今、新代表は、党内融和を主眼に当初の政権を立ち上げようと頭をひねっている様子だが、小沢グループに配慮した人事配置も、所詮、次の衆議院選挙までの繋ぎであり、小沢の手勢も次の選挙迄と思って間違いないのではないかと思うのです。
政治家が寄って立つ立ち居地は、大儀を抜きにして有り得ないと考えるのです。
国や国民をないがしろにして、自己顕示だけが表に出たのでは、この先、多くの人間を引き付けて行くことが出来るでしょうか。
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