2012年7月29日日曜日

オリンピックとマスコミ報道

  私は、齢を取ったせいか、最近、何かにつけて気に入らない事が多くなって来ました。
昨日から始まったロンドンオリンピックにしても、戦う前から、やたらにマスコミが騒ぎたてて、思ったような結果が出ないと、今度は黙り込んでしまうと言ったぐわいなのです。

オリンピックと言う世界のスポーツイベントが、まるでマスコミやテレビ局の為のバラエティーイベントで有るかのごとく、我が物顔の振る舞いに見えてきて、興ざめる時が有ります。
女子サッカーなでしこのスエーデンとの第2戦にしても、期待ばかりを煽って、すべての戦いに勝利するのが当たり前と言った風潮は、この様なスポーツ競技の祭典では決して良くないと思うのです。
大変な努力とライバルとの厳しい競争の末、代表の座を勝ち取った選手たちは、世界の強豪を前にして内心大きな不安とプレッシャーとを感じながら、競技に臨んでいるのでは無いでしょうか。

  オリンピックの開催早々、競技の結果が出る柔道では、48キロ級の福見友子に対する事前のマスコミ報道が過熱しているように思っていました。まるで金メダル第一号が確定しているがごとき報道振りは、初めて出場するオリンピックと言う舞台での選手本人に、必要以上のプレッシャーを与えていたのではないかと想像していたのです。
福見友子の準決勝のビデオ映像を見ると、前回北京の金メダリスト、ポーランドのドゥミトルに開始早々、不十分な組手のまま強引とも思える大外狩りを返されて、冷静に対応したドゥミトルに技有を取られています。
順当に勝ち進んでいるかに見えて、本人の胸の内は、優勝へのプレッシャーが勝ち急ぎの強引な仕掛けに繋がったのではないかと感じるのです。
ようやく、谷亮子の後継の座にたどり着いた事だけでも、本人が受ける気持ちの重圧は相当の物だったのではないかと想像されます。三位決定戦にも一本負けして周りが残念がる以上に、懸命の努力と長年の夢の舞台での本人の落胆を思うと、とても可愛そうに思いました。
  事前の期待の高まりから、強気のコメントで答えていた水泳の北島康介は、予選ぎりぎりの6位で決勝進出と成りましたし、これも事前の呼び声の高かった体操男子の内村航平がまさかの不調を囲っています。
スポーツ競技にはベースにフィジカルの鍛練と練習による技術の向上が欠かせませんが、競技や対戦にあたっては、それらを包括するメンタルの充実が大きくものを言うと思うのです。
世界のスポーツイベントで、報道する側にも力が入るのは分かりますが、バラエティー慣れしている日本のマスコミは、あくまでスポーツ競技の祭典である事の自覚の上で、報道に望んでもらいたいものだと思うのです。


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