2011年4月3日日曜日

桜が咲いた

 桜が咲いた。我が家から見る桜は、まだ二つ、三つ花が開いた程度だが、春にしては冷たい空気を残す外気の中での一分咲きだ。しかし、春が来たといって、何か素直に喜べる気持ちにならない。誰もが感じている、日本の閉塞感だ。世界の経済は、ニューヨークのウォール街に端を発したリーマンショックから、米国の渾身の回復と欧州諸国の努力で、かろうじてリーマンショック前の水準に戻りつつある。しかし日本経済にしても、全体としてデフレ感を完全に脱却していない。加えて中東に始まった、民主化のうねりが世界のエネルギー価格を押し上げている。何とか、中国とその周辺のアジア諸国の経済成長に支えられてはいるが、円高の強まりによって、依然として、埋め合わせる事の出来ない逆風が吹いている状況に代わりが無い。
 この様な世界経済環境の中で、日本国民が期待した政権交代は、完全に裏目に出てしまった。
政権党に付いた民主党は、元から内部で統一感を欠く寄り合い所帯で、党の中心的な政治家の多くが、与党批判はして来たが、政権運営のノウハウを持ち合わせ無い、経験不足の政治家の集合体であった。その為、その政策全般としては、政権獲得の為だけに国民に約束したとしか思われない、マニュフェストが足かせとなり、不人気の代表と共に極めて不安定な政権運営を余儀なくされている。そのように、現政権はもとより、前政権も含めて、日本の政党政治の体たらくと行き詰まり感こそが、日本の閉塞感と言っても過言では無い状況だと思うからだ。
 霞ヶ関の官僚達にしても、これまでのやりたい放題が、今の官僚抑圧的な世論に繋がっており、身の置き場の無い状況に追いやられていると思うのです。国、地方を合わせた公務員が294万人と言われています。その人件費たるや、年間27~28兆円に及ぶのです。これは23年度予算に際して財務省が出している資料を基にしていますが、その他、公務員出身者で独立行政法人、財団、その他公的関連機関に身を置く者を除いての数字です。国、地方の税収予想は、国税が38兆円、地方税が33.8兆円、合わせて72兆円そこそこです。そこに毎年、30兆円の赤字国債が積み上がっている状態です。その赤字国債は、そのほとんどが、過去の赤字国債の減債や利息に相当し、政策経費に回ると言う分けでは無いのです。このような数字が、一般国民に対して、粒さに伝えられる事はありません。それを認識している多くの人達にとっても、現状を維持する為の必要悪とされて、今日に至っていると思われます。
 事ほど左様に、一般国民に対して、何かと公にしたく無い事柄は、決して大きな声で伝えられる事はありません。政権が交代してもそれらが改まる事は無いのです。今回の関東大震災に見舞われた日本の状況を、自分なりに整理してみるのですが、ここまで書ききれない問題が、まだ数多く横たわっています。
 今回の大震災を受けて、内外から多くの励ましの声が聞かれますが、今、日本の置かれている状況を知れば知るほど、これからの日本の進む道が政治的にも経済的にも、いかに険しい道かが懸念されます。
 一般国民、政治家、官僚、地方公務員、それに経済界が認識を共有して一致団結しなければ、これからの困難を越える事が難しいと思えるほど、問題が山積する事でしょう。
 阪神大震災の時とは、日本の置かれている状況が、大きく違うという認識を、皆で共有しなければならないと思います。幸い、今回の事で、アメリカを始め世界の多くの国々が日本に好意的な援助を申し出てくれています。特に原発事故は世界にとって最大の関心事なのです。
 それにつけても、福島原発事故が、一日も早く、これ以上の事態悪化を回避して改善に向かう事を祈らずには居られません。

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