2011年5月31日火曜日

政治はどうなるのか

  明日から6月入り、現役の時だったら衣替えで、昔は女子社員の制服なんかも一斉に替わった。もっとも、今時、制服を着せている会社も少なくなったのだろう。
 TVニュースを見ていると、国会の方も、又、騒がしくなって来た。早いもので、今年の8月で、一昨年の夏、民主党が政権交代をしてから2年に成る。その間、今までの日本の政治と世間の動きを振り返ってみると、とても色んな事が有った。
 当初の鳩山首相は、普天間問題のごたごたと、母親からの生前贈与の申告漏れで敢え無く自滅。同時に、幹事長だった小沢一郎が、自らの政治資金規正法違反容疑で秘書が逮捕されるに及んで、総理と手を繋いで辞任した。思わぬ状況でお鉢が回ってきた、菅が総理大臣に選ばれた。ところが、選ばれた途端に、議論もしないで、唐突に消費税の引き上げを持ち出して、一気に不信を買ってしまう。その後の、民主党の任期切れの代表戦でも小沢と戦って、再度、菅が引き続き首相を務めるが、初めから、小沢排除の方針で、反小沢の布陣をあからさまにした為、党内は小沢に同調する鳩山、それに小沢グループと反小沢グループの対立状況を作ってしまった。そうした中、尖閣諸島での中国漁船不法操業をめぐる政府対応から、国会の紛糾が続き、反小沢の先鋒で官房長官の仙石が参議院から不信任を出され、辞任に追い込まれる。
 仙石の後を受けて、省庁の無駄の洗い出しに当たった枝野が官房長官に就任。消費税増税を一旦引っ込めた菅は、今度はTPPをぶち上げるなど、何とか不人気の挽回を模索するが、内閣の支持率は今年の年明けから、30%を大きく割り込んだ。外国人からの献金問題が発覚した外務大臣の前原の辞任と、統一地方選での民主党の大敗を受け、内閣の命運も風前の灯かと思われたまさにその時、3月11日、M9の東日本大震災が起こったのだ。
 随分はしょって、此れまでの政治状況を振り返ってみたが、大きな国民の期待を受けて、せっかく念願の政権交代を果たしながら、政権与党は如何してこのような状況に陥ってしまったのかを考えなければならない。
 日本の政治は、あの時点での自民党政治からの転換を、多くの国民が望んだ結果だったのでは無いだろうかと思うのです。しかし、国民の支持を受ける為に掲げた数々の公約に、実現性と継続性への疑問が露呈してしまった。その上、大きな問題は党内の分裂状況を、自ら作ってしまった事では無いだろうか。 
 日本にとって、最大の不運は、この様に政権に対する国民の不信が頭をもたげ、コロコロ、国の総理大臣を変えることが、世界的にも対面が悪いというだけで、継続が許される様な状況の中で、国難とも言える、大地震と大津波が起こって、それに原子力発電所の大事故迄が重なってしまった事だろう。
 自分の記憶を確かめるように、書いてみたが、そこには大きな問題があるのではないかと、思い当たる。一昨年の政権交代時には、日本の閉塞状況が煮詰まっていた時に、悪い言い方をすれば、仕掛け人に、えさを撒かれたのではないかと思うのです。
 日本の将来を如何して行くのかの精緻な議論をへせずに、裏付けはともあれ、小沢のシナリオに沿って、国民受けする公約を揚げ、それまでの状況に嫌気をさしていた国民の気を引いた事だろう。それに、今になっては沈黙しているマスコミも、反小沢を掲げながらも、一斉に共同戦線を張って政権交代の援護射撃に向かった。しかし、結局、民主党は、期待して投票した有権者を大きく裏切る事となった。
 政権交代は、敵の弱り目に付け込んで仕掛けた小沢の采配で成功した様なものである。それまでの民主党の有力議員は、野党経験しかない、政治手法に乏しい議員でしかなかった。しかも、当初から、小沢の政治手法に反発を持つ議員グループとの反発が根強く、党内のまとまりに欠いた党運営が、決定的に経験不足を露呈させてしまう事となったのではないかと思われる。
 国民にとっては、弱り目に祟り目で、信頼してこれからの日本を託す事のできる政党が、今、見当たらないという事ではないだろうか。経済社会も、変動の大きい国際社会に適応する為か、国内の雇用や所得を守る事が出来ない環境となっている。今回の大震災と原発事故で、そこに将来の日本のエネルギー問題までも抱え込む事と成ってしまった。
 この様に、被災地の復興と原子力事故の収束、それに日本の今後のエネルギー問題など、多義に渡る問題を、同時並行的に解決しながら国民生活を守っていく事は、誰が、どの政党が担っても、この時期一筋縄ではいかないと思われる。
 まずは、何と言っても、政党を超え全国会議員が協力し合って、この難局に当たる事のできる強力なリーダーを選ばなければならない。この難局は、一つの政党や一握りの政治家で担える範囲を大きく超えていると思うのです。現在、国の議員に選ばれた政治家は全力を尽くして、一日も早く被災地と日本の国全体の為に、最善を尽くさねばならないと思うのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿