2011年3月27日日曜日

福島第一原子力発電所のこと(2)

 毎日、原子力安全保安院のスポークスマンが、福島第一原子力発電所の状況説明をしているが、聞いていると、相当量の放射能物質が計測されているとの事だ。しかし、説明ではどうして、そのような強い放射線が出ているかの理由は、推測以外にはっきり分らないと言う。しかも現状数字が確認されても20キロ以内は避難指示が出ているので、人体に健康上の影響は無いと、あっさり言うのだ。
 これらの日々の記者発表は、どうも可笑しいと思えてきた。毎日、記者発表で数字を伴った発表を行っている事でイクスキューズにしているのでは無いだろうか。これらの極めて強い放射線が観測されているにもかかわらず、我々一般の国民が聞いても、だから如何だという事なのだ。
 しかも今日、冒頭のニュースで強烈な放射能の数字を伝えているNHKのアナウンサー自身も、その数字の意味を理解していないように思える。伝えるほうも視聴者も、その数字の実際の意味を理解しないまま、数字だけが伝えられている様に思えてならない。
 後になって、政府も東電も、観測数字は逐次現状を伝えて来ました。30キロ圏内でも自主避難を勧告していたはず等と、と云いかねない。原子炉内の核分裂によって放出されるレベルの観測数字が発表されながら、その意味が一般に知らされること無く、事態がより深刻化することの恐怖を感じる。チェルノブイリ原発事故の際、ソ連政府は事故を対外的に公表せず、その処理に当たる作業員や、軍関係者にも正確な情報を伝えなかったと聞く。一般国民が理解出き無い数字を、いくら発表しても何の意味も無いと思うのです。
 原子力に詳しい、研究者では今回の福島第一原発事故は、長期的にチェルノブイリ原発事故を上回る、極めて深刻な事態に発展しているとの認識を持つ人もいるようだ。
 政府は、是非正確で分りやすい情報を開示すべきで、今後のリスクや見通しについて、専門家から詳しく、国民に説明する義務が有ると考える。
 各報道機関が、コメンテーターを交えて、色々な報道をしているが、これも、素人がにわか勉強で、一般視聴者に無責任な講釈をたれている域を出ていない。無知な者の危惧であれば幸いであるが、後になって、本当はこうだったなどと言う冗談は無しにしてもらいたいものだ。
 それと、報道機関もこの状況を、直近のトピックスとして面白おかしく報道すべきではないと思う。
東北地域を中心に2万7千人を大きく上回る死者が確実視され、それと合わせて、未だに収束のめどの立たない原発事故が同時進行している現状は、ある意味大変な危機と考えざる負えない。
報道機関は、商業主義的なセンセーションを狙った報道を、厳に謹しまなければなら無いと思う。 

0 件のコメント:

コメントを投稿