2011年3月17日木曜日

国の震災復興

 国会は東日本大震災を受けて、休会となっている。発生より7日を過ぎて、震災復興の取り組みも本格化すると同時に、復興に向けた国の予算処置が注目される。今朝も、日本経済新聞の日本経済研究センターからの提言として、紙面が割かれており、その提言のあらましは、5兆円ほどの震災復興税の発動で、高速道路財源、子供手当ての財源及び法人減税も凍結してこれに当てるべきとの主張であった。様は、国債を増発するのではなく、増税によって、今回の震災復興費用を捻出せよとの主張なのである。現在日本の、国と地方を合わせた、いわゆる借金は、22年度末の財務省概算で、919兆円と成っていて、対GDP比184%だそうである。これを踏まえて、正当と言うか、常識的には日本経済研究センターや国債残高の積み上がりを懸念する政治家を中心に、増税による復興費の捻出が唱えられる可能性が高いと思われる。しかし、首都直近の東日本大震災を受けた日本の現状で増税による予算措置は正しい方策だろうか。
 昨夜の取引で為替が15年11ヶ月振りに大きく円高を更新し76円台をつけている。平成7年の阪神淡路大震災時も円高に触れたが、今回の円高は、日本の円需要の高まりから、日本の海外資産の円キャリーと、国際的なドル不安の観測がダブっているとの思惑からであろう。ただでも国内はデフレ傾向を脱し切れていない中での、大災害の発生、日本の更なる経済停滞を危惧する国際社会の状況から、各国の株価やエネルギー、金価格などが、一斉に値下がりしてきている。
 2年前の、リーマンショック前の水準を回復したかに見えた経済指標が、今回の震災で、新たに国際的な不安を広げている。それには、技術力の高さが認知されていた日本での、思わぬ原発の事故も大きく影響していると思われる。
 このように、内外とはず、不安定な経済状況が見られる状況下では、常識的な経済処置が正しいとは思われない。
 社会インフラが大きく損われた今こそ、一気に、10~15兆円の復興国債の日本銀行引き受けを決断して、日本経済全体の更なる景気落ち込みを支えるべきではないだろうか。東日本の経済が大きく損われた今、増税により、その他の地域、日本全体の景気下落は、何としても避けなければならないと思うのです。国会が再開されれば集中的な議論がされるものと思うが、この期に及んで、与野党は党益を盾に対立すべきではでは無く、一致協力して最善の策を練っていただきたい。
 データーも持たぬ素人の発言で恐縮だが、震災後の今から経済は、大きな引き波に襲われると思われる。しかし、政府が正しい復興への取り組みを決断すれば、必ず大きな寄せ波となって日本経済を満たす事になると思うのです。塞翁が馬と不屈の精神でこの難局に取り組まなければと考えます。

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