2012年6月16日土曜日

「由らしむべし知らしむべからず」

  今日、政府は福井県の大飯原発、3,4号機の再基働を正式に決定すると言う。地元の町から了承が出て、野田総理が国民に向け直接その必要性を訴える事で、再稼働の決定を行うとした福井県の西川知事が、県議会の一任の下政府に再稼働の承認を伝えると言うのです。
同じく国政では、増税の前提となる消費税増税の為の諸政策を、ほとんど棚上げし議論を先送りする事で、増税の決定だけが与野党で合意される方向となっています。
私達が、これらの国民にとってとても重要な政策の決定に対して、ネガティブな反応を見せる事は本当は、間違いなんでしょうか。
ここに来て、NHKや日経の紙面なども、これらの政策決定に対して比較的冷静と言うか、概ね既定路線の様に受け止めているのか、事態に対してとても寛容な態度に思えるのです。
NHKの報道内容やキャスターの口振りからも、消費税の増税は当然で夏場の電力需給の為には原発の再稼働は致し方ない無い、と言わんばかりのニュアンスが伝わって来ます。
  私達一般の国民の、素朴な懸念は取るに足らない事で、大義の為に政府が決断する事こそが正しい事なのでしょうか。
経済事象や社会科学にとっては、明確な解はほとんどの場合あまり期待できません。其処には、幾通りもの導き方があって、何が正解かは、実は正確に規定出来無い事が多いからです。
以前から、日本の総理大臣が1年毎に代わって、対外的にも恥ずかしいと言う風潮が広がりました。その為、国政の能力に疑問が出ても、対外的な体面を気にして、あまりに短い期間に首相をコロコロ変えるのは、如何な物かと言うマスコミ論調が幅を利かせる様になったと思います。
同じ様に、国会がねじれていると言う理由で、国政が停滞して「何も決められない政治」が問題だとする風潮も、これまた、メディアやマスコミの論調で広がって来ているのです。
国際的な体面の問題で、国の総理大臣の首が長らえる理由となるのでしょうか。能力に疑問符が付き国政にとってネックと成る事が予想される場合は、その就任経緯が問題なのであって、期間の長短で考えるのは間違いだと思うのですが、如何でしょうか。
  それと同様に、決められないからと言って、何でもかんでも必要な論議を棚上げして、結論だけを先行決定する事が、正しい決め方とは思われません。
  聞くと所によると、政府は、17日のギリシャの総選挙で緊縮財政反対派が優勢になりユーロ圏の経済的動揺が高まる事で、一気に大詰めに来ている消費税増税案の党内の支持を取り付けたいと考えているのではと言う人までいるとの事です。
日本の民意は、元々伝統的に「長いものに巻かれろ」と言う考え方で日本人のDNAの中に書き込まれて来たと思います。
それに付け込み、「由らしむべし、知らしむべからず」を現代に持ち込もうとする浅薄な職業政治家達を、私達の目線で確り選り分けて、次回の選挙に備えなければと考えます。



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