2011年10月1日土曜日

大津波の予兆

   先日、ニューヨーク証券取引所はジェットコースターかと書いたが、この所の動きが、本当に気になっている。今朝のN・Y市場も240ドルの下落だ。しかも、東京証券取引所の日経平均株価はリーマンショック後の最安値に落ち込んでいる。
 9月30日で臨時国会が終わり、野田総理が記者会見に臨んでいたが、次期国会での第三次補正予算の早期の成立を期待した発言が目立った。
 政府与党内では、復興増税の方針がまとめられたが、税外収入をかき集めて、増税幅を、出きるだけ抑える事も同時に話し合われた。そこでの議論で、政府保有の郵政株やJT株の売却による復興資金の捻出が大きく取りざたされている。
 日本が今置かれている状況を、極力俯瞰してみると、確かに喫緊の問題は、東日本大震災の復興と原発事故の終息で有る事は、言われなくても誰もが考えることだと思う。しかし、日本の状況を世界の動向の中で考えた時、とても心配な視点が見えてくる。
   此れも、2001年の9.11以降イラクやアフガニスタンで世界のテロ戦争を継続して来た米国の経済が変調をきたしている事だ。サブプライムローンの破綻により、リーマンブラザースと言う米国屈指の証券大手が3年前倒産に追い込まれた。米国政府は、あえて、リーマンブラザース一社の救済を行なわず、7000億ドル、日本円で70兆円の資金枠を設定して、米国の金融システムの維持を図る方策を取った。
 又この、リーマンショックの影響は、米国にとどまらず、それに深く関わっていた欧州経済に深刻な影響を及ぼし、欧州加盟各国で国家の財政危機が表面化することとなった、特にギリシャの放漫財政から来る国家財政破綻の予兆は、深刻の度を増し、米国の景況感やその財政にまで意識が深まっている。
 一旦は、サブプライムローン破綻に端を発する世界同時株安と金融恐慌から落ち着きを取り戻してきたかに見えた米国経済に、第二波とも言われる景気後退の可能性が大きくなってきてた。
 世界で、特に経済的なストレスが大きく拡大しつつあるこの時期、我が国では天災からの復興と、原発事故の終息に取り組まなければならない。
 ここで、世界の経済的な趨勢を正確に把握して、打つ手を熟考しなければ日本一国での手に負えない渦に巻き込まれかねない。既に、ちょっとやそっとの介入では、円高の流れは止ようも無くなっているのが分る。
 先に、政府内で検討されている、政府保有株式の市場売却にしても、今、国内市場の環境は、それを受け入れるだけの充分な余裕を持っているのだろうか。要は、それを誰が買うのかと言う問題だ。専門性のある知見を持って、経済の隅々まで気を配らないと、理念だけでは事は成功しない。
少なくとも、証券市場に何らかの関心のが有る人であれば、その答えは自明であろう。広くあらゆる専門的な英知を集結して難局の打開に臨んでもらいたいものだ。
 国家の運営に際し、目先の視点だけにとらわれ、より大きな津波の予兆を失念する結果となら無い事を切に祈りたい。
 
 

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