2011年10月10日月曜日

お婆さんの里帰り

 秋に気候がよくなったら田舎に行こうね、と家内がお婆さんに話していた。
89歳のお婆さんが何時だったか、夢の中に自分の母親が出て来て一緒に墓参りに誘われた夢を見てから、田舎の墓参りに行きたいと、しきりに言うようになった。
 母の出身は、昔の京都府船井郡広野と言う所で、現在は船井郡京丹波町広野になっている。亡くなった義父の出身は、この京丹波町和知からまだ北の由良川の上流に入っていった細谷と言う山の中だそうだが、今はガラス工芸家が工房として使っているとの事だ。母の実家は江戸時代に建った大きな屋敷の古民家で、最近、役場の仲介で名古屋の中年夫婦が買い取り、移り住んでいると言う。
 朝、9時に宇治の実家に母を迎えに行き、近くの菓子屋で手土産を買って、京都桂の先の沓掛ICから京都縦貫道に乗った。3連休の中日だった為、宇治から沓掛まで40分近く要し、高速は、終点の丹波ICまで25分と、比較的スムーズだった。終点から9号線で京丹波町を目指す。途中から由良川に沿って走る27号線で和知方面に入り、予め、お婆さんの姉の実家がある下山の甥に電話を入れて、案内を頼んでいた。
 家内の親戚筋と言う事で、私は、冠婚葬祭で顔を合わせているのだが、それも家内の父の葬儀以来で、ほとんど初対面の状態だ。
 亡くなったお婆さんのお姉さんは7回忌を済ませたとの事で、その長男の人は、私と同い年だった。この人の案内で、母のお姉さんの墓参りを済ませ、次に、いよいよ、お婆さんの実家の墓参りに向かった。いずれの墓地も里山の坂を上がっていく所で、母だけ、案内の甥が軽トラックに載せて近くまで運んだ。
 私達は、墓地の下に車を止めて、山道を墓地まで歩く様な所だ。
田舎の墓地は、いずれの墓地も立派で、敷地も広く、同じ姓の墓石が並んでいて、親戚や家族のお墓が並んでいる様子が伺えた。
 お墓参りを済ませてから、実家を継いでいる本庄の長男の所に挨拶に向かった。
その長男の奥さんが病気で自宅療養中の為、その見舞いも兼ねていた。
 お婆さんも、田舎の風を吸い込んで、若かった頃を思い出したのか、少し興奮気味に、あたりの風景をしきりに懐かしがっていた。
 休日と言う事もあり、自転車でツーリングをするグループや、モーターバイクの集団などが行きかい、のどかなはずの田舎道が結構の交通量に驚いた。
和知の道の駅などは、休日と言う事もあっ満員状態の盛況で、私としてはもう少し田舎の雰囲気を期待していたのだが、それとは少し違っていた。
 由良川に沿って走る27号線沿いも、バイパスが整備されていて、古い民家も多く見かけるが、昔の里山の情景は薄れているのかも知れないと思った。
 久しぶりの里帰りになったお婆さんが、帰り着くまで、以外に元気だったのも安心した。又、連れて行ってね!と言うお婆さんに頷いて、日暮れ前には宇治の実家に帰り着いた。

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