2011年10月2日日曜日

ざくろの赤い実

   夕方、いつもの散歩に出かけた。外の空気は、そこらじゅう、金木犀の匂いが涼しい空気に乗っていて、一週間前と比べると様変わりだ。
 長袖のシャツに薄い前開きのチョッキを羽織って出かけたが、暑くも無く、丁度良かった。
 近くの幼稚園の小さな植物園では稲が刈り取られて、周りにコスモスが咲き出していた。カメラを持って、目に付いたものを撮りながら歩くのだが、いつものコースなので、目新しいものは無い。
 そんな、散歩の帰り道で、ふと上を見ると、石垣を積んだお宅の庭の木に、赤い実がついているのを見つけた。それは、みかんよりも大きくてリンゴより小さく見えた。
 帰って、ネットで調べるが、なかなか、それらしい物が見つからない。
この時期、赤い実をつける植物は多いようだ。ハマナスなどと言う木も同じ大きさで、赤い実をつけるとあったが、どうもそれとは違った。
 丹念に、赤い実をつける植物を調べていくと、とうとうそれらしいものに出くわした。それはざくろの実だった。
 私は、子供の頃、九州の熊本市で暮らしていた時期があり、うる覚えだが、家の近くでざくろやグミの実を取った記憶があった。小さい頃の記憶なので、石垣の上にある木を仰いで、すぐにざくろの実とは気がつかなかったのだ。
 子供の頃は、今頃、そこらのイチジクやびわなどの木に実がなっていて、グミの実やざくろの木なども珍しく無かったと思う。赤い大きな実をつける木を見かけて、何か、いい物を見つけたような気になった。
 秋の日はつるべ落としで、日が落ちるのが早く、あたりはすぐ薄暗くなった。今日のように外気がつめたくなると、始まったばかりの秋が急に深まったように感じる。
 
 

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