2011年6月8日水曜日

烏滸の沙汰

 世の中が落ち着かないのは、勿論、東日本大震災による大津波による被災と、今も状況が危惧される福島第一原発の推移である。三ヶ月が経った今、大震災直後の原発事故の状況が政府のトップ、一握りの人間達によって握りつぶされ、正確なデーターが影響の及ぶであろう地域の人達に知らされなかった事がはっきりしました。
 昨日のNHKBSでのハーバード大学緊急討論でも、海外の検証チームによって、日本政府の情報開示に問題が有る事が、はっきり指摘されているのです。
 与党の中の彼らは、その若さや経験の無さから大きな勘違いをしていると思うのです。私達国民になんら責任を負うつもりも無い人間たちが、あたかも全ての権限を与えられて、国民の生死を左右できると思っている可能性がある事なのです。あえて言えば、あの若い口先男の官房長官などはその典型ではないでしょうか。被災地域に対する初期対応も大幅に遅れ、被災地のその後の難渋は人災とまで言われています。そうした状況から、今の菅首相を初め、政府と民主党の執行部は一蓮托生で、大なり小なり責任を免れぬ人たちだと思うのですがどうでしょうか。
 その同じ人たちが、今度は、しぶしぶ退陣を匂わせた菅首相の退陣後について、云々しています。如何考えても、今顔が浮かぶ民主党の議員達で、次の日本の代表を任せられる人は一人もいません。参議院の西岡議長は、菅首相が自分の進言を無碍にしてから、徹底して首相攻撃を行なっていますが、曲がりなりにも、与党で参議院の議長まで務める重鎮が内輪の総理大臣を公の場でこき下ろすのを見るのは、前代未聞の事だと思うのです。
 首相退陣後について、急に騒がしくなった執行部の面々の事を、新聞記者に問われて、西岡議長は、「烏滸の沙汰」といいました。学のない私は、その都度勉強させられるのですが、オコノサタとは「笑えるほどバカバカしい状況」と言う意味で、烏滸とは中国の後漢の時代、からすが水辺で騒がしいという字句からきていて、我が国では、烏滸がましいなどの言い回しに繋がっているとの事です。ようは、首相の後継について物を言うのが烏滸がましい人たちが、自らの不徳で国民に対し大きな迷惑をかけているにもかかわらず、全くそのことに気がついていない状況なのです。
 このブログで、以前書きましたが、冗談では無く与野党でこの先を託せる人材がいるのでしょうか。無縁社会を生きる私達は、どんどん、内に篭って、その様な状況に視てみぬ振りを決め込みがちです。
 私が今、救いだと思うのは、今回被災した東北地域の地方行政に関わる人達の中に、期待のもてる人達が多くいると思えた事なのです。
 私達はこれからも暫く、心と生活の落ち着かない日々が続くかも知れませんが、被災地で心細さと、不自由な生活を余儀なくされている人たちの事を考えると、そんな事も云っていられないですね。

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