今朝、朝日新聞の昨日の世論調査で、野田内閣の内閣支持率が22%と内閣発足後の最低を記録した、との記事が出ました。折しも、三党合意による消費税増税法案を、お盆前に参議院で採決するよう自公に迫られて、野田総理は採決の前倒しを党幹事長に指示したと伝えられています。
しかし、これだけ国民からの支持が離れた、藪睨みの内閣に付き合って、増税法案を採決しようと言う自公の頭の中も、甚だお粗末な判断と言う他ありません。先々、必ず国民世論と離反した与党と同じ運命をたどると考えるからです。
野田総理本人は、適当な人材がいない中で、代打的に民主党の党首の座に付いただけで、野田首相自身がほとんど国民の信任を受けていなかったと考えるのが妥当では無いでしょうか。
その人が、首相就任前の財務相からの流れで、財務省の後押しの下、就任早々から社会福祉財源の確保を理由に消費税増税を唱えて来ました。それも、就任早々に、政治生命を掛けてと勢い込んだのです。
その事は、ご存じの通り民主党の分裂を生み現在の状況を作り出したとも言えますが、この時期に消費税の増税を画策した財務省にすれば、思うように増えない税収と毎年増え続ける社会保障などの政策経費の狭間で、自らコントロールできる手立てが極端に狭められていたと言えると思います。そうした状況を打破するためにも、与党経験の無い首相を担いで、先の消費税増税の道を付けたいと考えたのではないでしょうか。
ところが、消費税の増税法案が衆議院を通過した途端、国土交通省による整備新幹線の着工を容認したりしているのです。あたかも、先の消費税の増税に建設予算が担保されたかの様な決定に成りました。 これ等から、差し迫った財政の危機感からではなく、ただ単に、先の税収を図る目的である事が明らかに成りました。
日本の財政からすると、至極簡単なことで、40兆円そこそこの税収しかないのに、毎年、90兆円の一般歳出予算を組んでいたのでは、国債増発に依存し、財政赤字が累積するのは自明の理です。何処かで、誰かがこの歳出構造を抜本的に削減する対応に出ない限り、又は画期的な景気振興策で、下がり続ける税収を増加させない限り、国の収支構造が改善される事は有りません。
そこで、財政の専門家や経済学者の間でも、この財政悪化の為の当面の対策について、大きく意見が分かれていると思うのです。
一つには、国の歳出構造のきめ細かで抜本的な改革、大胆な切り捨てと言っても良いかもしれません(現実には、これが出来なくて全ての改革が頓挫しています)。二つに、税の増収を図るための国の景気対策による継続的な経済成長策の確立(ほとんどが、マニュアル的、観念的で実効が図られていません)、そのうえで、三番目の政策として、補完的に税制改革による大衆課税の強化が上げられるのでは無いでしょうか(今までの日本の国民は、政治家にとって、最もお人好しで組みし易いと考えられている)。
大体、現在の内閣を統括する政治家自身に、国の経済対策の基本的な知見が備わっていない以上、細やかな期待を持つ事も出来ないのでは無いでしょうか。
歳出の大胆な削減と言っても、戦後67年続いて来た国の歳出構造は、びっしり張り巡らされた国、地方の行政組織の解体的な改革なくして、一朝には解決される事は有りません(最近、地方から、そうした機運が盛り上がりつつあります)。
しかし、現代において、日本が再度太平洋戦争の様な敗戦の中から再起する様な自体は考えられない為、現状の混沌とした世界経済の中で、抜本的な国の歳出削減と地道な経済成長策が迫られると考えられるのです(ギリシやスペイン、イタリヤ等欧州の過剰債務国は、それが今の現実に成っています)。
其の為に必要な事は、事前の徹底的な国民的議論と、国民と行政との徹底したコミュニケーションで、圧倒的なコンセンサスの上に政策が実行される事に尽きるのでは無いでしょうか。
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