2012年3月2日金曜日

頓珍漢な政治は如何なる

  まさしく、状況を正しく判断して、行く先を慎重に見定め、その時正しいと思われる事柄を大胆に決断して実行する。
組織を動かす、あるいは全体を統括して、道を誤らぬように先導する事の難しさは計り知れません。ましてや、それが国家レベルと成れば、「何おか言わんや」の世界では無いでしょうか。その為には、上下、左右、360度、全てに絶対の目配りと気配りが要求されるのは自明の理だと思われます。
普通の自覚と謙虚さを持ち合わせている人であれば、よほどの期待と支持を得たとしても、国のリーダーを申し出る為には、かなりの決意と覚悟が必要に成るのが当たり前の事でしょう。
政治家と言う人たちは、如何言う神経を持ち合わせているのでしょうか。現在の民主党の政権を見ていても、現在に至る迄に、党を代表する二人のリーダーの資質能力が、国民の前に赤裸々になりました。そして、自ら勇んで進み出た、現、野田首相にしても、前の人ほどでは無いとしても、その政治家として人物像は、国民が全幅の信頼を寄せるリーダーとしての資質には、ほど遠い人格としか思えないのは、とても寂しいことです。これは、一般的な人の人柄を言っている分けではありません。先日も、政治家の資質能力の劣化を、現在の小選挙区制度に求める見方が言われていましたが、国を運営して、国民生活に大きな影響力を持つ職責としての資質について言っているのです。
総理大臣にしてそう言う状況ですから、周りの党や内閣を構成している人たちへの信頼も、ほとんど無いに等しい政権では無いでしょうか。
もうすぐ、東日本大震災から丸一年を迎えますが、被災地の復旧、復興に内閣をあげて、一丸となっている様子が見受けられません。福島第一原発事故の終息とその被害の対応に全力で立ち向かっているでしょうか。東京電力と言う、一民間企業との意思の疎通やコントロールも、ままならない状況ではないかと思われます。
  今の野田首相は、その被災からまだ一年にもならない、何百年に一度、来るか来ないかの大災害に対して、如何対応しようとしているでしょうか。政局絡みで野党の党首と密談している場合では無いと思うのです。
世界の人達は、日本政府が、この大災害から立ち上がる為に、その復旧復興と原子力事故の終息に、全力で取り組んでいると理解しているでしょう。
しかし、実情はその様に成っていません。日本の首相は、病を抱えて被災地を見舞われる天皇陛下に、遠く及ばない気配りしか出来ていません。それは、部下に任せれば、後は如何にか成ると考える、何処かの組織の人間に見られる態度にしか映ら無いのです。本人はそんな気は無いと言うかも知れませんが、それが国のリーダーに求められ、備えていなければならない普段の資質では無いかと思うのです。
こう言う人たちが、国のリーダーとして国政運営に携わり、国家財政で将来の増税による税の形、防衛に関わる米国との連携、外交、TPP、それに、国民生活とその福祉政策や、皇室典範の改正までを差配しようとしています。如何見ても、心もとなく感じてしまうのは、私だけでしょうか。
財政諮問会議も廃止されてしまいましたし、国家戦略会議と言う名目の会議も全く機能している節が有りません。今掲げた、諸々の普段の政策課題のどれも、整斉と進捗しているとは思えないのです。今、彼らが取り組んでいるのは、形ばかりの更なる補正予算と新年度予算の概要くらいのものでは無いでしょうか。歳出削減とその抜本的な改革プランを持ち合わせない政権に、国の予算編成を任せなければ成らなくなった国民ほどみじめなものは有りません。
しかも、これもダメな自民党との駆け引きを続けている状況では、将来に対する展望は、如何見ても開けそうに無いのです。
結論から言えば、この様な政治状況を作ってしまったのは、私たちを欺いた政治家に有るとは言え、諸々の、見せ掛けの餌につられて、元々、寄せ集めで政党としての綱領も持ち合わせ無い政党に、多数を与えてしまった、私達国民に責任は帰結します。尤も、後の参議院選挙で与野党の議席の修正が有りましたが、この事は結果的に、今度は何も決まらない政治状況を醸成してしまったとも言えます。

政治資金規正法違反に問われていた民主党の元代表の裁判は、これも、調べに当たった東京地検の虚偽記載が今度も問題となり、元代表に有利に動いているようですが、この人の、なりふり構わぬ数の力による、強引な政権交代手法を誰も非難しようとしていません。それもその筈で、マスコミやメディアも、あの時点では、この強引な手法に便乗して、政権交代のキャンペーンに一役買ったからです。
そう考えると、若い国民の目を惑わせ、政策綱領も持ち合わせない未熟で稚拙な政治家の寄せ集めを政権政党に押し上げた、この剛腕政治家の責任が一番重いのかも知れませね。

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