米子西ICと出雲ICの間は所どころ高速道路の無料区間が設けられていて、9号線のバイパスの様に成っている。たぶん、其の区間は生活道路を含んでおり、其の区間を無料の区間としているのでは、と想像した。4時を過ぎてから松江市内を出たが、安来まではそれほど時間も掛からず、日が落ちる前に旅館に付く事が出来た。其の日に宿泊を予約している安来苑と言う宿は、着いて見るとすぐ斜め前に足立美術館があり、入館中は車の中でアンディーを待たせるつもりでいた私は、少しホッとした。賢いアンディーは車の助手席のムートンにうずくまって、寝ながら待ってくれるとは思っているが、遠くの駐車場に残しておくより、近い所で、なにか安心する気がした。それと、足立美術館のある場所は、さぎの湯温泉という小さな温泉街になっていて、近くには小奇麗な旅館も何軒かあった。
玄関を入ると、眠そうな目をした中年の女性が出てきて、形通りの挨拶をして、此れも、少し古びた薄暗い八畳間ほどの和室に案内された。
奥さんと私は顔を見合わせて、しまったと思ったが、何よりアンディーと一緒に泊まれる宿で、やけに安いと思ったが他に無かったのだからしょうがないと頷いた。
風呂は、露天風呂もあったが、私は岩風呂の温泉に入った。湯ぶねの淵に座っていた人に、どちらからと声を掛けられ話に乗ると、地元の人で温泉に入りに来たらしく、松江城に行った話しをすると、堀川めぐりの船に乗られましたか、と訪ねられた。時間が気になりパスした事を言うと、松江城のお堀をめぐる船から見る景色が良いんですよ、と教えられた。
私が朝風呂を済ませて、私達は旅館をチェックアウトし、奥さんお目当ての足立美術館の入り口に向かった。
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