2012年4月11日水曜日

政府の景気ウオッチャー調査

  「地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。」これは政府内閣府の景気ウオッチャー調査のサイトで冒頭にその目的として述べられている文章です。
この調査は指数化され50%を上回ると市井の景況感が上向いていると判断されるのです。この政府内閣府の調査結果が、50%を上回ったとする発表を受けて、今朝のNHKではファミレスでの高額メニューの売れ行きが好調になっているとか、高級腕時計や一足5万円を超える高級紳士靴などの対前年比売上高が好調に推移している事を消費者のコメント入りで放送していました。
私は、学生時代に経済統計について少し学びましたが、統計と言うものはその目的によっては、いかようにも加工して、統計を公表する立場の主体に都合よく作り上げる事が可能なのです。
  日本全国の消費者の何%の人達が、その様な高額の商品を購入しているのでしょうか。確かに、2011年のアナログ放送の終了を受けて、地デジ対応の液晶テレビがエコポイント効果も手伝って、爆発的な販売を記録し、日本社会の潜在的な消費力を示しました。しかし、その反動は大きく、この3月決算で、関連業界の大手電機メーカーは相次いで過去最高となる大幅な赤字決算を余儀なくされています。日本の「景気」に焦点を当てて、情報を伝えるとするならば、より多面的な検証を加えてから、情報発信してもらいたいものだと考えるのです。
HNKを始め、全てのTVメディアは放送を流す前に、予め放送内容について筋書と言うか、ストーリーを用意すると思われます。その時、政府発表やトピックスについて、その真実性や妥当性について正確に確認することなく、全国ネットで一握りの編集スタッフが用意した、言わば筋書を放送する事になるのです。そこには、トピックス性や目新しさ、放送としてのインパクト効果ばかりが意識されて、肝心のニュースの普遍性や真実性、妥当性の検証に欠けるきらいが有るのでは無いかと懸念しています。
  今、野田政権は消費税法案の今国会成立を期しています。この消費税増税には国内の景気、景況感はとても重要な要件になると思われます。このような中での、50%を上回ったとする、政府内閣府の景気ウオッチャー調査をどう思われますか。
景気動向調査とか統計と言うと、いかにも公平公正と言うイメージで受け止められると思うのですが、私は必ずしもそうは思いません。そこに公表する主体の恣意性が含まれていないか、注意深く見る必要があると考えています。
NHKを始め、全国の情報発信に関わるメディアは、公共の電波を利用して日本国民に大きな影響力を持つ事の自覚を持って仕事に当たってもらいたいものだと思います。また、私達も、マスコミやメディアの情報をただ聞き流すのでは無く、その検証を忘れてはなら無いと考えます。
  最高の真理の府でであるべき検察庁や警察関係などの、考えられない不祥事が、今までに表面化しました。この様な公的機関さえ鵜呑みに出来ない社会が透けて見えるのです。ましてや、公共に多大の影響力を持つ民間事業者の有り方について、私たちはもっと注意を向ける必要がありはしないかと思うのです。

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