2011年8月3日水曜日

事故後の責任

   各県産の肉牛から政府の暫定規制値を上回る放射性セシュームが検出された事で、福島、宮城、岩手に続いて4県目となる栃木県の肉牛に政府の出荷停止が通告された。私はこれらニュースを聞いていてとても納得がいかない。
 大体、今も、菅内閣がこれらの指示を各県に発しているが、そもそもの責任が曖昧にされたままだ。この様に、人ごとのように結果を見て指示を出している事に腹立たしささえ覚える。政府に言わせれば、それらは全て、事故の発祥元で有る東京電力の責任と言うだろうが、事故発生後から4ヶ月、菅内閣の対応は如何だったのだろうか、それを問う声があまりにも小さいのに驚く。大体、この様に放射性物質の事故による影響が広域に及ぶ事は、有識者も含めて、少し知識、判断力のある人なら当然考えが及ぶ事ではなかっただろうか。それを、ことさらに、半径30キロ県内に限定した説明と報道振りは、国民に真実を伏せて小手先の対応に時間を浪費した結果でしかなかった。この根源的な責任追及がなされない背景には、報道機関も含めて、まだ何か国民に伏せている別の知られては成らない不都合が有るのかもい知れないと、疑心暗鬼に成らざる負えない。
 放射性セシュームに汚染された、稲わらを与えられた肉牛がこれだけ汚染されていたと言う事実で、では豚肉や鶏肉、鶏卵は如何なのか、当初から言われている生鮮野菜やこれから収穫される米への影響は如何なのかについて、うすうす、分っていたり、想像される事について事実を故意に伏せている事実は無いのだろうか。細野原発担当相は9月から汚染土壌の洗浄を始めるといっているようだが、もう既に、広範囲に放射能汚染が起きた後であり、肉牛だけでなく直接、地域住民の上に放射性物質が降り注いでいた事実について、当事者としての政府、内閣からの言及が未だに無いのはどう言う事なのか。直ちに、人体に影響の及ぶ量ではないと言い続けていた政府高官は国民に対して責任を負えるのだろうか。枝野官房長官など、あの顔を見るだけでも不信感が募る口先人間だ。未だに国民の前で白々しく、肉牛出荷停止通告などと記者会見が出来る気が知れない。
菅総理の辞任以前に事故発生以来の不手際は重大で、とっくに、総辞職に値する内閣だと思うのだが如何だろうか。
 メディアも報道機関も、チマチマと総理大臣の辞職云々を報道するだけではなく、基本的な誤りと不手際を明らかにする事こそが、その使命ではないだろうか。
天災は致し方ないとしても、無策から来る、国民を愚弄した情報隠蔽や、まやかし報道は、明らかな人災であり、曖昧にするわけにはいかない。当然、原子力行政にかかわり、その甘い汁に群がっていた組織や政府関係者を見過ごすわけには行かないと思うのですが如何でしょうか。
 原発事故発生以来の原子力委員会、経産省の原子力安全・保安院、環境省
農林水産省、文部科学省、それらを統括しなければならない、内閣の官邸は適切に機能していたのだろうか、が問われると思うのです。あまりに、場当たり的な危機管理体制で、日本の国民の安全は保たれるのでしょうか。我々は、なりわい政治家がはびこる政治を容認しすぎて来た付けを、払わされているように思えて成らない。それにしても、国民は従順でおとなしく、何も言わず、黙々と子供達を疎開させている親達を見ると、この国の国民性に対して複雑な気分になる。

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