2012年12月2日日曜日

お婆さんの手編ソックス

(咲き出した実家の山茶花)
12月に入った今日、昼過ぎから宇治の実家に向かいました。お婆さんは週初めの火曜日から、一日置きに土曜日迄デイサービスに出かけます。つまり、週に三日はデーサービスの車が迎えに来てくれます。寂しがりやのお婆さんは、このデーサービスが生きがいに成っているのです。
  食事も美味しいし、デーサービスに来ているメンバーと顔を合わせている間が、余計な事を考えない何よりの時間だと言うのです。それで、予定の無い日曜日と月曜日、一人で家の中にいる二日間が、とても手持無沙汰で寂しいらしいのです。
  此のところ、補聴器なしには殆ど周りの声は聞こえないのですが、補聴器を嫌って付けようとしません。お婆さんの状況を想像すると、耳が聞こえないと言う事は、静寂の中で一日中を過ごしているのだと想像するのです。奥さんと電話でしゃべっていても、適当な返事が返って来て、殆ど会話に成らないようです。
  年明けの一月五日で91歳に成るお婆さんにとって、一日一日を過ごす上での問題は、デーサービスが無い日の食事の事ですが、殆ど運動らしい運動をしていないお婆さんは食欲がわかないと言うのです。そもそも、一人で食事をすると、何を食べても美味しくないとこぼしています。
  
所が、内の奥さんが作る食事を、「美味しい、美味しい」と言いながら完食するのです。
  行き付けの近くの町医者や歯科医院、それにエデンさんと言うお気に入りの美容院と、近くのセブンイレブンに出かけるくらいで、一人で遠くに出かける事もありません。
  そのお婆さんが、最近、しきりに「もういい加減にお父さんが迎えに来てほしい」と言い出しました。
  内の奥さんも心配に成って、取りあえず、何かお婆さんの日々の生きがいを作らねばと考えて、最近、毛糸でホームソックスを編んでくれるように頼みました。実は、お婆さんは若いころから編み物の達人で、機械編みで家計を支えた程の腕前の持ち主だったのです。
  しかし最近、周りの者達に手編みのセーターを編んでやる事も無くなり、すっかり編み物をする事も無くなっていました。
  娘からのリクエストに気を良くしたお婆さんは、古い毛糸をほどいては、ホームソックスを編み出したのです。私も、直接、私のソックスを頼みました。
  今日、実家に行くと、もうすでに4組のソックスが出来上がっていました。その他にデーサービスのお友達に、二組のソックスをプレゼントしたと言っていました。お婆さんの手持無沙汰の解消に、このホームソックスの編み物が効果を発揮していました。
  今、内の奥さんも、ネットでハマナカのちょっと上等の毛糸を取り寄せて、孫のニットのワンピースを編みだしていますが、実家のお婆さんも、実は、Craft婆さんだったようです。何もしないのはCraft爺さんだけに成ってしまいました。
  

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