16日の最悪のゴルフには、実は他にも原因があった。私も含めて私の仲間内のゴルフは、結構ざっくばらんで、ゴルフプレーで求められているゴルフマナー等をあまり四角四面に考えていなかった。気心の知れた友人達との和気あいあいの懇親ゴルフが多く、ゴルフ歴は長いが現役中はクラブ競技などにはあまり出場しなかったからだ。その為、弟達とクラブの競技に出るようになった時などは、色々注意を受けた。特に私と同時期に一緒のクラブに入会した甥などは、私によく注意をしてくれた。
ティーグランドではショットする同伴者の視界に入る所に立たない、同伴者がアドレスに入ったらほかの者との会話を控える、フェアウェーではショットす者の前に出ない、バンカーの跡は直してグリーンに上がる、更にグリーン上では靴のスパイクを引きずらない事、ボール跡をホークで直す、そして同伴者のパットラインを踏まない様に気を付ける、等などの基本的なマナーについて良く注意を受けた。
クラブ競技などで他の会員と同伴した時などは、大体において、それらのマナーは守れているのだが、時にうっかりしたり、自分のショットやパターの失敗に気持ちが動揺して、周りへの気配りが疎かになる事がある。
特に、普段から仲間意識のある同期の懇親ゴルフコンペなどになると、気が緩むと言うか、ついつい同伴者への気配りが緩んでしまう事がある。昼からも、私は、OBが連続したり、ちょっとしたミスでスコアーに対する拘りを無くしていた。
朝は調子のよかった同伴者の一人も、調子を崩して私達のパーティー全員が、四苦八苦の状態だった。そんな折、グリーン上で私が無意識に同伴者のパットラインを踏んでしまったらしく、ラインを踏まないようにと、その同伴者から注意を受けた。ところが、その何ホールか後、私がまたうっかりしてその同じ同伴者のパットラインを踏んでしまった。一度注意しているにも拘らず二度踏まれた同伴者は、血相を変えて私をなじった。私も、自分の非を素直に謝ればいいのに、仲間内の事だからそんなに怒らなくても、と応じた事が相手の怒りに火を注いだ形に成った。
その時の、同伴者の「言われても懲りないやつやな!」と言う一言で、私も逆切れしそうになったが、なんとか気持ちを抑えて、ひたすら悪かったと謝った。
その同伴者もその時、ショートホールのショットをミスしてラフのボールを探していた。OBを免れて打ったセカンドショットがグリーンをオーバーして反対側のラフに行ってしまった。グリーン上に載せていた三人のうち遠い方の一人が、ラフにオーバーした同伴者が返しを打つ前に、ピンに寄せようとした行為について、積もっていたイライラを爆発したようだった。
ちょっとした気配りを欠いた事が、一人の同伴者のイライラを募らせ、パーティーの親睦ゴルフをとても気まずいものにしてしまった。
この様なゴルフ場での最悪の出来事が、二日立った昨日まで、私の気持ちをとても重たいものにしていた。逆切れしそうな気持ちを無理やり抑え込んで、ひたすら謝った事で、私の気持ちの中にも大きなストレスのしこりが残ってしまったのだ。
PTSD(Post Traumatic Stress Disorde)の事を普段何となく聞いていて自分が経験する事など無いと思っていたが、この出来事は、私の自覚の中で気持ちが傷ついたと言う意味では一種の「心的外傷後ストレス障害」ではないかと思えるのです。
いい年をして、自分の行為が無意識にせよ、生真面目な他の同伴者の気持ちを傷つける事がある事に鈍感だった。たぶん、その場で怒りを爆発させた同伴者は、私以上に気まずい気持ちを引きずって帰ったかも知れない。帰り際に、「悪かったな!」と、小さく私に声をかけて帰った彼の後姿に、その気持ちが表れていたように思えた。とても、大きな反省の一日だった。
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