寝室用に置いていたSONYの小型テレビが、4年目でダメになった事を、先日書きました。電源スイッチを入れるとテレビの前面の下についているスタンバイという小さなランプが、8回赤い点滅を繰り返すだけで、画面が立ち上がら無くなったのです。それは、SONYのサポート・デスクに電話で尋ねると、8回点滅を繰り返すサインは、何でも、音声回路の不具合を表すらしく、自宅に来てもらったSONYの修理担当者によると、修理費用は出張費や技術料それに部品代を合わせると、消費税込みで4万円掛かると言う事でした。SONYの修理担当者には、出張費だけを払って帰ってもらいました。
今日、近くの量販店で、2011年製のシャープAQUOSの同じ26インチの液晶テレビを購入して持って帰りました。販売店の5年保証と、壊れたテレビの廃棄料に5.000円程が掛かりましたが、本体は23.950円で購入する事が出来たのです。奥さんと帰りの車の中で、去年買い換えた炊飯器より安いね!と言って笑いました。
去年7月の、テレビ放送の地デジ移行に伴なって、急速な買い替え需要が巻き起こり、それを当て込んでか数年前から、メーカー各社は巨額の設備費を投入し、大々的な液晶パネルの増産体制を整えていました。
しかし、ある意味、分かり切っていると思うのですが、急速な地デジ対応のテレビへの買い替え需要の後は、必ず国内需要はその反動減に見舞われる事が予想されます。それに、追い打ちを掛けたのが為替の円高で韓国メーカーに世界市場で大きく水を空けられた事ではないでしょうか。
この春の決算で、日本の家電メーカーは液晶のパネル事業を中心に、相次いで過去最高の赤字決算に追い込まれ、テレビの生産から撤退を表明したり、工場を集約し、かつての下請け先である台湾企業に合弁を頼み込んで生き残りを図ったり、と言った有様です。
早い時期から、生産工場を人件費の安い中国や東南アジアに移行し、コストの引き下げで韓国メーカーなどとの競争に対抗しようとする経営が、かつての優秀で信頼性のある物造りに影を落としていたのではないかと考えるのです。
それに気付いている経営者もいるはずです。最近になって、精密企業の中には、製品の生産現場を暫時、国内に戻す動きも出始めていると聞いています。
百円均一などの雑貨を扱う企業や安価なアパレル製品などのように、比較的現地の生産現場で技術指導がしやすい製品と違って、精巧で誤差やバグの許されない製品を供給しなければならない製造業にとっては、コストとしての人件費だけが経営の対抗手段ではないと思うのです。
製品の不具合が判明して、新製品の販売後に何万、何十万の製品回収を余儀なくされる事例をよく耳にしますが、経営に取っての痛手は計り知れません。
赤字決算に喘ぐ電気業界がその巻き返しに、今後どういう道を歩むのか、私には分かりませんが、
日本の精巧で信頼性のある物造りのプライドを再構築して、世界の市場で勝ち残ってもらいたいものだと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿