2012年1月18日水曜日

債務残高と財政改革

  財務省のホームページを覗くと、軽やかなBJMが流れ、日本の公債残高が増え続けており、先進国中で最悪の水準に達している事を伝える優しい女性の声が聞こえてくる。23年度末の公債残高は668兆円に成る事が見込まれており、これは税収の16年分に相当して、将来世代に大きな負担を残すことに成るとの音声が聞こえて来るのです。
しかも、国際比較で、しばしば問題にされている日本の国債、借入金並びに長期の政府保障債務残高の合計は、刻一刻増えつ続けており、財務省資料の23年9月末の残高では954兆円を超えて、現在もリアルタイムに増え続けている様なのです。
それは、先にも書きました国の一般会計予算で、ここもと、国税の上りが40兆円ほどしか無く、その他を工夫してかき集めても歳入は50兆円そこそこにしか成りません。それに対して歳出は必要額を足しこんで行くと、90兆円を超えてしまいますので、どうしても、足らずの40兆円強は、更なる赤字国債によって賄わざる終えなくなるのです。財務省のホームページの呼びかけは、財務省自ら日本財政の財政危機を内外に発信し続けています。
こうした、日本の財政の現状にも関わらず、直近でも、日本国債に国際的な資金が流れ込み、日本国債の値上がりとそれによる利回り低下を見せているののは、如何してなのでしょうか。
欧州のユーロ参加国での財務不安が増幅しており、フランス国債をはじめ9か国の国債格付けが、一斉に引き下げられ、加えて欧州金融安定化基金の格付けまで引き下げられた事は、今後の欧州の債務国問題の対応に、大きな痛手となっているのです。
米国も、今年は大統領選挙の年で、自国の景気の維持拡大に神経を集中させているのが現状で、ユーロの動揺を横目に、ドルレートの相対的な定位安定を模索するのが精いっぱいの状況です。
こうした、世界の金融情勢の中で、比較安定通貨と見なされる円は、引き続き円高状況の緩むことは有りません。この事は、今年も日本の産業界に大きな重しとなり、ひいては国の更なる税収減に繋がって行くと思われるのです。
日本の財政悪化を憂うるメディアと守旧の有識者の多くは、日本の円高のメカニズムと相対的に選考される日本国債を見て、その理由として、日本の対外債権が3兆円にも及ぶ経常黒字を保有している事、及び、欧米各国と比べて低位にある消費税率が、今後の引き上げ余地を大きく残している事を上げるのです。
しかし、財政の悪化に歯止めをかけ、財政を健全化する手段としての抜本的な歳出構造の改革や、政府予算の歳出削減努力に至っては、鼻から、その余地が少ないとしている点が共通している様に思われます。様は、既得の権益を手放すことなく、大人しい一般国民に負担のを強いる事を主張するのです。
硬直化している日本の歳出構造を切り崩して行く事は、言葉で言うほど簡単では無い事は誰の目にも明らかです。しかし、日本の将来の破たんが確実に予想されるほどの危機的状況であれば、増税も手段として否定しませんが、政治は日本社会が1945年に戻るに等しい覚悟を示して、国政運営の転換を訴えてこそ、真に国民の理解と信任を得るのでは無いでしょうか。
困難を伴う本質的な転換を目指さず、在任中の小さな巧妙の為に、実現したとしても何れは行き詰る政策を、ごり押しすることで国民の支持は得られるとは思いません。ローカルとしての大阪で、若い政治家が支持を得ている現象は、過去からの体制や構造を抜本的に変換していこうという主張が、地域の賛同を得ている結果では無いでしょうか。
既得権にしがみ付き、自己保全にのみ汲々とする官僚国家的社会は、何れ身動きが取れなくなる可能性があります。政治が動かなければ、政治は一般国民から、何れ完全に見放される事に成ると思うのです。

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