今日の朝日の天声人語に、欧州統一通貨ユーロの記述があった。6年も前のことになるが、退職後、奥さんに促されてイタリア各地とフランスのパリを巡る10日間のツアーに参加した。その時見たヨーロッパの思い出は今も残っている。特にイタリアのローマやフィレンツェ、ミラノ、ベネチアの印象が強く残った。
どこに行っても、日本的な都会の高層ビル等は無く、300年前と変わらない佇まいを残す景観に感動したものだ。レストランで水がほしくなってもボトルの水を買わなければならなかったり、トイレ休憩でバスから降りて用を足すのに其のつど小銭が要ったりと、国情の違いも感じた。もちろん、観光ツアーですから各地の歴史地区を中心に巡るので、ヨーロッパの歴史が強く感じられた面も有るのですが、それにしても、パリの地下鉄以外で、日本の都会の喧騒の様なものはほとんど感じることが無かったし、都市を結ぶ高速道路沿いにも工場のような建物もあまり見かけ無かった。
当時のユーロの円との換算レートは1ユーロが140円前後だったと記憶しているが、欧州の通貨を統一することで域内の輸出入や商品流通を自由化し、ユーロ参加国17カ国以外にも、将来は域内27カ国の政治的な統一を目指していたのだろう。しかし、ここに来て加盟国の経済財政運営の違いによる財政格差が表面化する事となった。
特に、アメリカに端を発したリーマンショック以降、ギリシャやアイルランドなどの国家財政危機によって、その不安が欧州全体に波及し、ドイツ、フランスを中心に、今もヨーロッパ各国の懸命な安定化策が協議されている。あの時の、何処かのどかなヨーロッパの印象は、統一通貨ユーロの大きな揺らぎによって、騒然とした印象に変わって来ているのです。
車窓から、のどかなイタリヤの風景を眺めながら、日本と違って生活にあくせくしていない国柄を羨ましく思ったことを思い出す。豊かな自然と長い歴史や文化を今に伝えるヨーロッパに、憧れのような物を憶えていました。
そして日常、私の中のヨーロッパは、オーディオ機器と繋がっていて、スピーカーはデンマーク製のディナウディオのコンター3で、CDプレーヤーが英国製のメリディアン588、アナログプレーヤーはドイツ製のアコースティック・シグネチュアー サンバと言う機種を使っている。それに、アナログプレーヤーのアームは、これもイギリス製のSME 3010R 、カートリッジにデンマーク製のオルトフォン コンプラプンクトA と言った具合なのです。
この様に、オーディオ製品では、優れたヨーロッパの製品が製造されていて、世界のオーディオ愛好家に広く親しまれています。
現在の欧州金融危機を受けてユーロの為替レートは、103円そこそこと米ドル同様大幅な円高になっているので、欧州製品の日本のユーザーにとって、以前と比べるとずいぶん購入しやすい価格になりました。しかし、欧州製のオーディオ機器がどれだけ優秀と言っても、18世紀以降に輩出した世界の音楽家達や、クラシック音楽の膨大な遺産には比べる事は出来ません。
昨日、夫婦で風邪を引いている私達は、何気なく押したスカイパーフェクトチャンネルの無料の映画放送を一日中見る事になったのですが、それは、フランシスコ・コッポラ監督のゴッドファーザーでした。結局、パートワンからスリーまで、見てしまいましたが、シシリア島ののどかな風景と、哀愁のあるテーマ音楽で、昔のヨーロッパの、のどかな雰囲気を楽しみました。
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