国会の福島第一原子力事故の事故調査委員会の黒田清委員長は、この夏の電力需給に向けて、国民の為に再稼働が必要だとする野田総理大臣の記者会見について、日本の原子力事故を受けた世界の国の方向性とは違っていて、「国の信頼のメルトダウンが起きているのでは」と感想を述べています。
野田総理大臣は、大飯原発の再稼働なしには、関西地域のこの夏の国民生活は成り立たないとまで言い切っているのです。これに対して、大阪市の橋下市長は成り立たないのは国民生活では無くて、関西電力だと指摘しています。 確かに、此のまま再稼働が出来ず、電力各社の既存の原子力発電所や関連施設、それに核燃料等の資産が、決算上、資産の項目から抜け落ちる事にでも成れば、電力会社の経営は大きなダメージを受ける事が考えられます。結果的に、今まで、国の関与で原子力発電所の建設が推進されて来た経緯を思うと、国の大きな支援負担が避けられなくなると考えられるからです。
総理大臣と言えども、ほとんど国民の誰もがその言葉を信頼している分けでも無い一政党の代表者が、綺麗な言葉を並べて記者会見しても、何の保障にもなりません。
今朝も、田原総一郎の経済座談会のTV番組で、元大蔵事務次官で現在大学教授の榊原英資氏が、野田首相の事を、大学を卒業してすぐ松下政経塾に入塾し、市会議員、県会議員、国会議員に成り、その政党の役職を経て総理大臣となっていて、その過程で、一度も一般社会で企業に勤めた経験も無ければ、行政に携わった経験も無く、それ故、そうした人脈も無くて経済の事にも社会一般の事象にも疎い人では無いだろうかと評していました。
その点については私も全く同感で、此れまでの政権運営を見る限り、形通りの美辞麗句を並べる演説には慣れていても、国の多義に渡る根幹について、真の知見と理解を持ち合せている人物なのかと訝しく思うのと、重要な政策判断にずれがある様に思えてならないのです。国会での答弁を聞くに付けても、言葉に真実味が感じられないばかりか、とても言葉が軽く感じられます。
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