互いに、厳しい仕事を通じて付き合いを深めて今に至った。180センチを越える身長、中学時代からの野球選手で、ゴルフをやらしても強烈なドライバーを放った。しかも、気は優しくて力持ちを地で行くやつで、周りからも頼りにされる人柄でもあった。彼の事を悪く言うやつなんかいなかったし、私の家内など、私に比べてあの人は優しい、と言うのが口癖のようなものだった。
彼の奥さんと家内は、会社入社の同窓同期で、そんな関係からも、家族ぐるみの付き合いで今日まで来た。まさかこんなに早く彼がこの世を去るとは思いもよらなかったが、現実の日がやって来てしまった。
酒の弱い私が晩酌をするようになったのも彼ら夫婦から送られた、伏見の清酒がきっかけになった。夫婦で酒を楽しむ彼が、最近は飲めなくなっていたらしい。彼にしてみれば、最大の楽しみを病によって奪われていたのだ。
先日私は、見舞いに行ったベッドの上で、彼の点滴で内出血だらけの腕を掴んで、「お互いに遅かれ早かれと思うよ」と胸の中で言った。
明日は、これからは「好きな酒を心配せずに飲めるよ」と言ってやりたい。始めは嫌がったらしいが、心配していた下の娘の結婚相手にも会うことが出来たらしく、気持ちも整理が付いていたのだろう。
明日、明後日、同期のリーダー格二人と彼の見送りに行く事にしている。
たぶん、多くの友人達が彼の早い逝去を惜しんで、別れに来てくれるだろう。
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