長袖のシャツに薄い前開きのチョッキを羽織って出かけたが、暑くも無く、丁度良かった。
近くの幼稚園の小さな植物園では稲が刈り取られて、周りにコスモスが咲き出していた。カメラを持って、目に付いたものを撮りながら歩くのだが、いつものコースなので、目新しいものは無い。
帰って、ネットで調べるが、なかなか、それらしい物が見つからない。この時期、赤い実をつける植物は多いようだ。ハマナスなどと言う木も同じ大きさで、赤い実をつけるとあったが、どうもそれとは違った。
丹念に、赤い実をつける植物を調べていくと、とうとうそれらしいものに出くわした。それはざくろの実だった。
私は、子供の頃、九州の熊本市で暮らしていた時期があり、うる覚えだが、家の近くでざくろやグミの実を取った記憶があった。小さい頃の記憶なので、石垣の上にある木を仰いで、すぐにざくろの実とは気がつかなかったのだ。
子供の頃は、今頃、そこらのイチジクやびわなどの木に実がなっていて、グミの実やざくろの木なども珍しく無かったと思う。赤い大きな実をつける木を見かけて、何か、いい物を見つけたような気になった。
秋の日はつるべ落としで、日が落ちるのが早く、あたりはすぐ薄暗くなった。今日のように外気がつめたくなると、始まったばかりの秋が急に深まったように感じる。
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